研究・論文

公共空間の活用・維持のマネジメント
-Management of utilization and maintenance of public spaces

道路空間・河川空間・公園等の公共空間の民間主体による利活用を促進することが求められている。民有公共空間においては、リノベーションも含めた維持管理の質の担保が課題になっている。公共空間の活用手法における公共性の評価と担保の方法論や、持続可能なマネジメント体制等の課題について検討を行っている。

都市構造/ 土地利用計画 とインセンティヴゾーニング手法
-Urban structure/Land use planning & incentive zoning methods

 東京都における拠点配置計画及びそれと連動したインセンティヴゾーニング手法の運用方針―土地利用政策の内容と、現実に開発された建物床面積総量―市街地の実態のギャップを、地理情報システム(GIS)や各種土地利用調査データ・人口データ等を活用することで、定量的に検証する。これによって、都市構造の将来目標像と土地利用規制の制度設計に対する提言を行う。

土地利用規制制度/ 裁量的審査手続き / 国際比較研究
-Land-use regulation system/ Discretionary examination procedure/International comparative studies –

 日本の用途地域制は、上述の第1フェーズの時代に対応した仕組みを未だに基本としているが、第2・3フェーズの時代における少子高齢化等に起因する社会ニーズの変化に対応するためには十分ではない。土地利用規制手続きに関する日米英独などの国際比較を通じて、専門的な視点からの評価と民主的合意形成プロセスの双方を通じた望ましい開発誘導の実現のあり方について研究を実施している。

公民協議型都市再生 
-Urban regeneration by Public-Private Partnership

 産業構造転換に伴う既成市街地の再生を規制緩和・民間活用によって実現する公民協議型型都市再生の推進は、1980年代半ば以降の世界的潮流となった。民間事業者による公共貢献の提案内容を適正に評価し実現を担保するための公民協議手法が発展してきた。国際比較研究を通じて、日本の都市再生手法の可能性と課題を明らかにする。

公的住宅団地の再生
-Regeneration of public housing estates

 20世紀後半には、戦後の住宅不足の解消と都市部への人口集中問題の対策として、公的賃貸住宅の大量供給が行われてきた。これらの老朽化した公的賃貸住宅団地では、既存の住環境ストックを活かし、高齢化社会に対応した再生が必要である。立地や規模などの量的特性と、政策的役割などの質的特性を考慮し、団地再生方針の決定プロセスを分析している。

防災―社会的弱者支援のためのデータ活用
Disaster prevention- Utilizing data to support the vulnerable group

災害対策基本法に基づき避難弱者の情報をリスト化した避難行動要支援者名簿が、個人情報保護の観点を懸念するあまり、地震や水害などの災害発災時に各市町村で有効活用されていない問題が生じている。この課題を解決するため、自治体独自の条例を定め、地域の自治組織と情報共有を図っている事例に着目し、その制度設計プロセスを明らかにする。